3月10日に国際女性デー特別イベントを開催しました。約70人が参加し、「都市と地方を"つなぐ"私たちの新しい働き方」をテーマとした講演やトークセッションに耳を傾け、ネットワーキングを楽しみました。
Toget-HERプロジェクトは、2月に一般社団法人Toget-HERを設立しました。まず、代表理事を務める及川美紀氏による、新体制での活動拡大の意気込みを込めたご挨拶がオープニングとなりました。
一般社団法人Toget-HER 代表理事 及川美紀氏
次いで上川陽子衆議院議員が「なぜ今『地方活性化』が重要か」と題して基調講演を行いました。右胸に国際女性デーのモチーフである黄色いミモザのブローチを着けて登壇し、第二次岸田内閣で外務大臣に就任し精力的に世界各国との外交を行った経験に基づき、地方発の外交の重要性について語りました。徳島県で開催されたイベントで浄水技術のスタートアップWOTAの技術に感銘を受け海外市場に展開できると確信したこと、ウクライナのオデッサ歌劇場から、ロシア製ではなく日本製の楽器を使いたいという切実な要請を受け、静岡の楽器メーカーであるヤマハから楽器を送る支援を行ったことなどを紹介し、地方発で海外に貢献する日本企業への期待を示しました。また、ナイジェリアで出会った若い日本人の女性起業家から「将来の自分が帰りたいと思える日本にしてほしい」と言われたエピソードを元に、参加者に「希望を持って未来を切り開きましょう」と語りかけました。
衆議院議員 上川陽子氏
続いて行われたパネルデスカッションは「地方と都市を結ぶ働き方」がテーマです。Toget-HERをリードするデロイト トーマツ グループの大塚泰子がファシリテーターを務め、「東京で開催するイベントで、参加者の皆さんに地方というテーマをいかに身近に感じてもらえるかが重要だと思っています」と口火を切り、リモートワーク、副業・兼業、セカンドキャリアなど働き方が多様化する中での新たな働き方についてディスカッションを繰り広げました。Dialogue for Everyoneの大桃綾子氏は、人手不足に悩む地方とセカンドキャリアを考える都市の人材をマッチングするサービスの手応えを紹介しました。日本IBMの井上氏は全国に地域DXセンター立ち上げ、結婚や介護に伴って転居する女性にも働き続けてもらえる場を提供しています。Yokogushist の伊能美和子氏は役職定年後に起業し、様々な企業・団体や個人を「横串でつなぐ」をモットーに活動を行っています。ひろぎんホールディングスの木下麻子氏は、東京の大手企業でキャリアを積んだ後、パートナーの実家がある広島にIターンしました。「地方で女性が管理職に就きにくいとは限りません。企業側も女性側も、ポテンシャルにまだ気づいていないのです」と言い、広島銀行に契約社員として入社後、8年後にひろぎんHD初の女性執行役員に昇格した経験を語りました。年齢や居住地に縛られず、地方に活力を与えている登壇者達の言葉は、東京近郊に住む参加者が自身のキャリアを考える上でも実感を持って聞いて頂けたことと思います。
右から株式会社ひろぎんホールディングス執行役員 木下麻子氏、日本IBM株式会社取締役 井上裕美氏、Dialogue for Everyone株式会社 代表取締役 大桃綾子氏、株式会社Yokogushist 代表取締役 伊能美和子氏、DTFAパートナー 大塚泰子
トークセッションのテーマは「地方の今とこれから―地方活性に向けた取り組み―」です。Will Lab小安美和氏は、出演したNHKのクローズアップ現代やあさイチの地方の女性の生きづらさを取り上げた番組は反響が大きかったことを紹介しました。宮嶋那帆氏が代表を務める松山ローカル大学は、愛媛県内の経営者のコミュニティです。「設立メンバーにはNewsPicksの坂本社長らがいる中で、女性である私が代表になったことには意義があると思っています」と語りました。小安氏も「人は見たことがないものになりたいと思えません。地方に女性リーダーのロールモデルが増えることで、次世代の女性達が後に続くことができます」と訴えました。山本満理子氏は岡山県で地域の女性ネットワークに参画しています。20代で岡山県議会議員を務め、「男性中心の政治分野を変えていきたい」と強調しました。地方の活性化のためには、根強いジェンダーギャップの課題と正面から向き合い、取り組みを進めることが不可欠と言えるでしょう。
右から株式会社Will Lab 代表取締役 小安美和氏、株式会社ローカル大学 代表取締役 宮嶋那帆氏、元岡山県議会議員 環太平洋大学特任准教授 山本満理子氏、大塚泰子
地方に関わり生き生きと活躍する女性達の姿と声に触れ、地方の可能性が大きく広がっていく期待感を感じました。 筆者は広島県出身なので、地元の瀬戸内での取り組みはとても興味深かったです。 Toget-HERが大切にしているのは、「つながること」です。地方と海外、地方と都市、地方と地方が繋がり、女性達が連携することが、変革と発展に結び付きます。参加者からは、「刺激になった」「地方という視点を持つ機会になった」などのコメントをいただきました。
登壇者のインタビュー記事として、公式コンテンツに掲載している「山本満理子の『政治と私』」もぜひご一読ください。
ネットワーキング風景
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